まとめと今後の展開

前回は、ソーシャルイノベーションのための構造構成主義的プロダクトデザイン手法の実践の最終回として、Wanic ToolkitとWanicシリーズを用いたビジネスモデルについて説明しました。ビジネスモデルについて説明するにあたって、まず、Wanicシリーズの製品ラインナップ、途上国・先進国を含む事業戦略を説明したのち、初期の事業展開先である東ティモールにおけるWanicシリーズのポジショニング、技術伝達を中心とした事業展開、ならびに、ビジネスモデルの考察について説明しました。

今回は、第25回目の記事、つまり、本ブログの最終回となりました。そこで、前半では、各章のまとめを行い、後半では、構造構成主義的プロダクトデザイン手法、Wanic/Wanic Toolkitの今後の展開について述べたいと思います。

各章のまとめ

イントロダクション – No Tinkering, No Innovation

イントロダクションでは、まず、本ブログの目的とターゲットについて説明をしました。本ブログは、ソーシャルイノベーションのためのデザイン理論を、背景となる理論や実例、ならびに、提案する理論の実践を通じてわかりやすく解説することを目的とし、デザイン思考やソーシャルビジネスに興味のある全てのひとをターゲットと設定しました。次に、タイトルにも含まれている”デザイン思考”と”ソーシャルイノベーション”について説明しました。デザイン思考について、その起源から定義まで追い、ソーシャルイノベーションについて、イノベーションとソーシャルイノベーションの違いについて重点的に説明しました。

1. ソーシャルイノベーションとソーシャルビジネス

第1章では、本ブログの2つのキーワードのうちの1つ、”ソーシャルイノベーション”について掘り下げ、フィールドとしてのBOPについて説明し、実際の事例として、企業、NPO、大学、研究機関を取り上げて具体的に説明しました。

第02回では、イノベーションとソーシャルイノベーションの定義、および派生型について説明しました。具体的には、シュンペーターの定義を説明したのち、イノベーションの派生系である、持続的イノベーションと破壊的イノベーション、オープンイノベーション、ソーシャルイノベーションを紹介しました。特に、ソーシャルイノベーションについては、Phillsらの定義に基づいて、イノベーションとの差違を説明しました。

第03回では、ソーシャルイノベーションのフィールドとしてのBOP(Bottom of the Pyramid)について、定義、特徴について説明しました。BOPが全世界の人口の90%を占めるという事実は、従来のプロダクトがわずか10%に向けてデザインされたものに過ぎず、その手法もまた10%の人々のための手法に過ぎないことを意味しています。そして、従来のデザイン手法がそのまま90%に対して適用不可能である理由を、フィールドごとの複雑性、デザイナと現地人の関心の対立構造というBOPが持つ特殊性から説明しました。

第04-10回では、ソーシャルイノベーションの事例として、企業・NPO、大学・教育機関の取り組みをシリーズにて説明しました。

まず、企業・NPOの事例として、第04回では、KickStartを紹介しました。KickStartは、地元の人々が起業家として利益を生み出すことが可能であり、持続可能な社会の形成、雇用の創出、経済の発展に貢献する製品を開発しています。ここでは、2つの製品(スーパーマネーメーカーポンプ、ヒップポンプ)を紹介したのち、KickStartの10のデザイン原則を説明しました。

第05回では、米国NPO Kopernikを紹介しました。Kopernikは、テクノロジーマーケットプレイスのコンセプトのもと、テクノロジーを所有する会社や大学、途上国の市民団体、一般市民の3者をつなげ、革新的な技術・製品を発展途上国に提供するための多数のプロジェクトを運営しています。ここでは、実際のプロダクト3点とそれらを用いた3つのプロジェクトを紹介しました。

第06回では、マサチューセッツ工科大学のNicholas Negroponteを中心に大学発NPOとして設立されたOLPCを紹介しました。OLPCは、ネットワークにつながったラップトップを全ての就学児に提供し、教育を通じて世界の貧しい子供たちに活力を与えることをミッションに低価格ラップトップの開発を行っています。ここでは、OLPCシリーズのXO-01とXO-03を紹介しました。

次に、大学・教育機関の事例として、第07回では、マサチューセッツ工科大学 D-Labを紹介しました。D-Labの”D”は、「Development though Dialog, Design, and Dissemination (対話を通じた開発、デザイン、普及」を意味しており、国際開発の枠組みの中で、適正技術と持続可能性のあるソリューションによる開発を育成するためのプログラムとして位置づけられています。ここでは、12のコースと、それぞれのコースの代表的なプロジェクトを紹介しました。

第08回では、d.schoolことHasso Plattner Institute of Design at Stanfordを紹介しました。d.schoolは、IDEO創業者であるDavid KellleyおよびIDEOの影響を強く受けており、”デザイン思考”がキーワードとなっています。ここでは、2011年Spring Semesterで開講中のクラスと、2つの長期プロジェクトを紹介しました。また、ベルリン郊外に存在する系列組織である、HPI School of Deign Thinkingを紹介しました。

第09回では、TU DelftことDelft University of Technologyを紹介しました。TU Delftでは、Industrial Design Engineering(IDE)プログラムが修士学生向けに開講した”Advanced Products”にて、ソーシャルイノベーションに関連したプロダクトの開発を行ってきました。また、IDEに存在する3つの学科のうちの1つ、Design Engineeringの1セクションに当たる、Design for Sustainability(DfS)も同様に、ソーシャルイノベーション関連の研究に取り組んでおり、そのコース内容について紹介しました。

第10回では、マサチューセッツ工科大学から始まり、世界に展開しているFabLabを紹介しました。FabLabは、3次元プリンタやカッティングマシンなどの工作機械を備えた一般市民のためのオープンな工房と、その世界的なネットワークであり、必要なものをみんなで作る”DIWO(Do It With Others)”を基本理念に置いています。ここでは、FabLabの定義、歴史について説明したのち、利用可能なファブリケーションツールを紹介しました。

2. デザイン思考

第2章では、本ブログの2つのキーワードのうちの1つ、”デザイン思考”について掘り下げ、デザインプロセスごとのデザイン手法として、デザインリサーチ、モデリング、デザインパタンを紹介したのち、既存のデザイン手法の限界について説明しました。

第11回では、デザイン思考の系譜として、Herbert A Simon、David Kelly、Tim Brown、奥出直人、Hasso Plattnerの5人の研究者に注目し、定義とデザインプロセスを紹介しました。そして、これらに共通するプロセスとして、「1. フィールドへ赴き、データを取得する、2. 課題を発見し、仮説を構築する、3. プロトタイピングを行う、4. フィールドへ赴き、テストを行う、5. 製品を実装する」を抽出しました。

第12回では、プロセスの最初のステップである、「1. フィールドへ赴き、データを取得する」ためのメソッドとして、”質的調査法”を説明しました。具体的には、口頭データと質的データの様々な採取方法について、その概要と限界について説明をしました。さらに、目的に応じた複数の手法の組み合わせの事例として、エスノグラフィック・インタビューの一形態である、ベイヤーとホルツブラッドの提唱した”コンテクスチュアル・インクワイヤリ”を紹介しました。

第13回では、プロセスの2番目のステップである、「2. 課題を発見し、仮説を構築する」ためのメソッドとして、”モデリング”を説明しました。具体的には、ユーザの属性に注目したユーザモデリングとして、ペルソナ、シナリオ、ゴールダイレクテッドデザインを紹介し、ユーザの行動に注目したワークモデル、ならびに、フィールドの構造を理解するためのGTAを紹介しました。

第14回では、プロセスの3番目のステップである、「3. プロトタイピングを行う」ためのメソッドとして、”デザインパタン”を説明しました。具体的には、デザインパタンの起源、および、建築からソフトウェアエンジニアリング、HCI(Human Computer Interaction)への流れを説明しました。そして、ユビキタスコンピューティング、ゲームの領域への拡張までを紹介し、その限界について指摘しました。

第15回では、第12-14回で述べた既存のデザイン手法を、BOPというフィールドに対して適用する場合の限界について説明しました。具体的には、BOPの特殊性として、フィールドごとの特殊性、デザイナとユーザとしての現地人との関心の対立構造を解説しました。既存のデザイン手法は、これらのBOPの持つ特殊性を考慮していないことから、適用において限界が生じることを説明しました。

3. 構造構成主義

第3章では、既存のデザイン手法の限界を打破するためのアプローチを構築するための足がかりとして、”構造構成主義”を紹介しました。構造構成主義は、現象学と構造主義科学論の流れを組む超メタ理論であり、現象と関心に注目することで、人間科学において起きがちな信念体系同士の対立を克服し、建設的なコラボレーションを促進するための方法論です。

第15回では、構造構成主義の特徴をモデル図を用いて説明しました。構造構成主義では、哲学的構造構成と科学的構造構成という2重の構造構成が存在します。これらを説明する前に、両者に通底する概念である、現象学的概念と構造主義科学論について解説しました。前者については、関心相関性と信憑性、後者については、構造と恣意性を中心に解説しました。

第16回では、構造構成主義を背景として持つ研究法の1つとして臨床心理学などの分野で用いられている、”構造構成主義的質的研究法(SCQRM)”を紹介しました。これは、構造構成主義それ自体は概念であり思想であるため、デザイン手法として直接応用することが困難であるためです。SCQRMは、構造構成主義を超メタ理論(超認識論)とするメタ研究法で、関心相関性を中核原理としています。ここでは、SCQRMの備える11の関心相関的アプローチを説明しました。

SCQRMは、モデル構築がその研究の目的である場合において、関心相関的選択に基づき、”M-GTA(Modified Grounded Theory Approach)”を分析ツールのひとつとして採用しています。第17回では、前進となるGTA(Grounded Theory Approach)について説明したのち、具体例を示しながら、概念化、カテゴリ化、理論化のプロセスで構成される、分析プロセスを紹介しました。また、手続きとして作成する分析ワークシートを紹介しました。

4. ソーシャルイノベーションのための構造構成主義的プロダクトデザイン手法

第4章では、筆者の構築した、ソーシャルイノベーションのためのプロダクトデザイン手法について説明しました。本手法は、フィールドの複雑性の構造的な理解と、デザイナとユーザとしての現地人の信念対立の解消、というBOPをフィールドとするプロダクトデザインにおける目的に基づいて、構造構成主義をアプローチとして導入しています。

第18回では、実際のデザイン手法として、「デザイナの関心モデル構築」「フィールドの概念抽出および現象マッピング」「ソリューションモデルの構築」の3つのステップで構成されるデザインプロセスを紹介しました。まず、デザイナの関心モデル構築は、デザイナの関心を構造化するステップです。次に、フィールドの概念抽出および現象マッピングは、フィールドを構造化し、現地人の関心を構造化するためのステップです。最後に、ソリューションモデルの構築は、デザイナの関心モデルと、第2のステップで抽出された「概念」をもとに問題発見、および、発見された問題に対する仮説を生成するステップです。

5. ソーシャルイノベーションのための構造構成主義的プロダクトデザイン手法の実践

第5章では、構造構成主義的プロダクトデザイン手法の実践として、実際にフィールドワークと現地テストを繰り返し開発したプロダクト – Wanic / Wanic Toolkit – をケーススタディとして引用しつつ、そのデザインプロセスの詳細を説明しました。

第19回では、筆者の参加した東ティモールへのフィールドワークを題材に、事前調査からデザイナの関心モデルの構築、そして、調査項目・インタビュー項目決定までの流れを説明しました。本フィールドワークは、米国NPOコペルニク主催の途上国の課題を解決するプロダクトを開発することを目的としたSee-D Contestのプログラムの一環として設計されたものです。

第20回では、筆者の参加した東ティモールへのフィールドワークのうち、ボボナロ県への第1回フィールドワークを題材に、「フィールドの概念抽出および現象マッピング」「ソリューションモデルの構築」の具体的なプロセスについて説明しました。

第21回では、ラウテム県ロスパロス地区への第2回フィールドワークを題材に、「フィールドの概念抽出および現象マッピング」「ソリューションモデルの再構築」「プロジェクトの関心モデルの構築」の具体的なプロセスについて説明しました。

第22回では、構築されたソリューションモデル(ver1.1)とデザイナの関心モデル(ver1.1)に基づいてデザインされた、ココナッツワイン”Wanic”と、Wanicを製造するためのツールキット”Wanic Toolkit”のコンセプトモデルについて説明をしました。具体的には、キットの概要、キットを用いたWanicの製造プロセス、ならびに、第1回現地テストとそこでのフィードバックを中心に説明しました。

第23回では、Wanic Toolkitの普及モデルについて説明をしました。コンセプトモデルから普及モデルを開発するまでの過程として、第1回現地テストの結果を受けてデザインした普及モデル(ver.1.0)、東ティモールにてWanic Toolkitを用いて、Wanicを作るヒト、および、飲むヒト向けに実施した第2回現地テスト、さらに、第2回現地テストをもとに改良した普及モデル(ver.1.1)を説明したのち、普及モデル(ver.1.1)を用いたWanicの製造プロセスについて説明しました。

第24回では、Wanic ToolkitとWanicを用いたビジネスモデルについて説明しました。ビジネスモデルについて説明するにあたり、まず、Wanicシリーズの製品ラインナップ、途上国・先進国との関係を説明したのち、初期の事業展開先である東ティモールにおけるポジショニング、技術伝達を中心とした事業展開、ならびに、ビジネスモデルの考察について説明しました。

今後の発展

構造構成主義的プロダクトデザイン手法

まず、構造構成主義的プロダクトデザイン手法については、グラントの獲得を視野に入れつつ、精緻化と汎用化の2つの発展を考えています。精緻化とは、手法そのもののブラッシュアップを指します。具体的には、他のデザイナによるケーススタディを通じて、ブラッシュアップを行いたいと考えています。本ブログで紹介した東ティモールへのフィールドワークの際には、筆者自身がいわば最初の被験者となり、手法の妥当性の確認を試みました。今後は、バングラデシュやフィリピンなど東ティモール以外のアジア地域にて、別のデザイナによる本手法を用いたプロダクトデザインを依頼したいと考えています。

汎用化とは、ブラッシュアップした手法のツール化を指します。現在は、「デザイナの関心モデル構築」「フィールドの概念抽出および現象マッピング」「ソリューションモデルの構築」という3つのステップのみが明示化されている状態にすぎず、具体的なツールが存在するわけではありません。今後は、専用のシートや、iPhone/iPadなどのアプリケーションを作成し、ツールのかたちで本手法を普及させていきたいと考えています。その過程では当然ワークショップなどの開催も検討していきたいと考えています。

Wanic/Wanic Toolkit

次に、Wanic/Wanic Toolkitについては、酒のブラッシュアップと販路開拓を考えています。現時点では、フレッシュワニックのプロトタイプを製造した段階、すなわち、ツールキットとココヤシの実を使ってお酒が作れることを示したにすぎません。実際に商品として販売するまでには、酵母の選定・培養、糖度の測定に基づく補糖料の決定、味の安定化、中期保存方法の模索など多くの課題が残されています。今後は、国内酒造メーカー、現地酒造メーカーといったパートナーを模索し、協業による製品開発を検討していきたいと考えています。

一方で、販路については、現地パートナーとして、東ティモールにてホテルもしくはレストランを1店舗選定し、その周辺を使ってツールキットの製造、フレッシュワニック、ボトルドワニックの製造を行い、販売テストを行ってみたいと考えています。そして、この地をモデル店舗として設定し、Wanicツアーと称して、日本の酒造メーカーやその他販売代理店候補の企業の方々を東ティモールにお連れすることによって、Wanicへの理解だけではなく、東ティモールの観光収入の増大に少しでも貢献したいと考えています。

さいごに

本ブログは、当初の計画通り25回で予定していた内容を全て完了することができました。4月の正式オープンを前にいくつか記事をストックしていたのですが、通常業務を行いつつ、となるとすぐにストックもつきました。週一での定期更新は初めての試みではなかったのですが、文章のクオリティとボリュームを保ち続けることに慣れるまではしばらく時間を必要としました。とはいえ、後半はペースをつかみ、水曜で構成、木、金、月曜でドラフト、火曜に仕上げというサイクルが確立しました。

このブログを通じて、いくつか取材をいただきましたし、研究として発展しそうな案件もいただくことができました。今後は、上記に述べたような方針で研究を継続していくつもりですが、書籍化(!)という当初の目的を果たすために、本ブログの内容のメンテナンスを行っていきたいと思います。書籍の対象は、紙媒体が(個人的には)最も理想的なのですが、電子書籍の流通面におけるメリットを考慮して前向きに検討していきたいと思っています。

最後まで読んでくださった方、twitter等でコメントをくださった方、どうもありがとうございました。また、Appendixなど更新するかもしれませんが、ひとまずお礼を述べさせていただきたいと思います。

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Innovation and Social Innovation

前回は、本blogのタイトルにも使用している2つのキーワード – デザイン思考とソーシャルイノベーション – に関して、それぞれの定義を中心に論じました。今回は、キーワードのうちの1つであるイノベーションについてもう少し掘り下げてみたいと思います。

イノベーションという単語は、企業広告、大学教育、研究、様々な場所で用いられ、それを目にする人も若干食傷気味かもしれません。何も考えずに単語だけ使用するとたまに恥ずかしい目に会うこともあるので、まずは整理しておく必要があります。今回は、イノベーションの起源から始まり、派生したいくつかのイノベーションの類型について述べていきたいと思います。具体的には、シュンペーターによるイノベーション、破壊的イノベーションと持続的イノベーション、オープンイノベーション、ソーシャルイノベーションです。これらのそれぞれについて、起源と定義をまとめてみましょう。

イノベーション

前回ソーシャルイノベーションの定義の部分で少し述べましたが、そもそもの英語におけるイノベーションの意味とは、”Something newly introduced, such as a new method or device”、すなわち、新しい手法や道具などどいった新しく生み出される何か、とされています。これに対して、経済学上におけるイノベーションという語句は、1912年に発行された経済学者のシュンペーターの著書『経済発展の理論』の中で5つのパタンとして彼によって定義されました。以下に原文と拙訳を掲載いたします。

1. The introduction of a new good – that is one with which consumers are not yet familiar – or of a new quality of a good.

2. The introduction of a improved or better method of production, which need by no means be founded upon a discovery scientifically new, and can also exist in a better way of handling a commodity commercially.

3. The opening of a new market, that is a market into which the particular branch of manufacture of the country in question has not previously entered, whether or not this market has existed before.

4. The conquest of a new source of supply of raw materials or half-manufactured goods, again irrespective of whether this source already exists or whether it has first to be created.

5. The carrying out of the better organization of any industry, like the creation of a monopoly position (for example through trustification) or the breaking up of a monopoly position.

1. 消費者にとって馴染みのない新しい製品、あるいは、より良質な製品の導入

2. 改良された、あるいは、より良い生産方法の導入。
これは科学的に新しい発見に基づくものではなく、ある商品の商業的扱いに関するより良い方法を含むものである。

3. 新しいマーケット(市場/販路)の開拓。
当該国の産業部門が従来は参加していなかったマーケットの開拓。このマーケットが以前存在したかどうかは問わない。

4. 原材料や半製品の新しい供給源の開拓。
この場合も、供給源が既存のものであるか、あるいは初めて創り出される必要があるかどうかは問わない。

5. 生産のためのよりよい組織の実現。
すなわち、例えばトラスト化などによる独占的地位の形成、あるいは、その打破など。

さて、シュンペーターは、イノベーションの種類は5種類存在し、すべてのイノベーションはそのいずれかに当てはまる、と主張します。従来、日本語におけるイノベーションは”技術革新”と訳され、上の5つのタイプのうち1のみがイノベーションと見做されてきました。これは、「もはや戦後ではない」のフレーズが記載された、1956年の『経済白書』の中で、イノベーションが初めて登場した際、イノベーション=技術革新と翻訳されたためであると言われています。この経済白書については経済白書データベース[1]で原文を確認することができます。

[1] 経済企画庁, 1956

本blogは、このような”イノベーション=技術革新”ではなく、”イノベーション=5つのパタンのいずれか”という視座を継承し、この5つのパタンを踏まえたソーシャルイノベーションを実現するための理論と実践について論じることを目的としています。

さて、ここからはイノベーションの派生系として、先に挙げた以下の3つについて述べていきたいと思います。

  • 持続的イノベーションと破壊的イノベーション
  • オープンイノベーション
  • ソーシャルイノベーション
  • 持続的イノベーションと破壊的イノベーション

    まず、持続的イノベーションとは、従来製品の改良を進めるイノベーションを指します。一方で、破壊的イノベーションとは、 短期的には従来製品の価値を破壊するかもしれませんが、全く新しい価値を生み出すイノベーションを指します。

    これら2つのイノベーションは、ハーバード・ビジネス・スクール教授のクレイトン・クリステンセン(Clayton M. Christensen)が、1997年の著書『The Innovator’s Dilemma: When New Technologies Cause Great Firms to Fail』(邦題『イノベーションのジレンマ – 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』)のなかで初めて提唱した概念です。彼は、持続的イノベーションに集中する巨大企業は、改良することだけに注力し、顧客の需要に目が届かず、機能的には劣るものの別の新たな特色を持つ製品を作り出す新興企業に敗れる現象を”イノベーションのジレンマ”として理論化しました。

    例えば、CDやDVDは、より音質において劣るダウンロード形式のデジタルメディアによって破壊されたテクノロジーです。この現象の背後にある原因として、1990年代に、シングルCDの出荷が徐々に停止されたことにより、消費者が個別の楽曲を購入する手段を失ったことが指摘されています。この市場は、当初はNapstarなどのピアツーピアのファイル共有テクノロジーに、やがてiTunes Music Store、Amazon.comなどのオンライン販売業者によって席巻されていきました。

    オープンイノベーション

    次に、オープンイノベーションは、ハーバード・ビジネス・スクール助教授のヘンリー・チェスブロウ(Henry W. Chesbrough)が2003年に出版した『Open Innovation: The new imperative for creating and profiting from technology』(邦題『OPEN INNOVATION―ハーバード流イノベーション戦略のすべて』)において提唱した概念であり、企業が、ある技術を発展させようとする時、内部のアイディアだけではなく、外部のアイディアを使うことができる、もしくは、使うべきであるという考え方です。オープンイノベーションの背後にある考え方は、企業は完全に自社の研究に頼る余裕はなく、代わりに他の会社からモノや特許を購入したり、ライセンスを受けたりすべきであるという思想です。さらに、内部の発明はその会社のビジネスで使われるべきではなく、その会社の外に出されるべきである、という思想をも含みます。

    例えば、P&Gは、技術や知的財産について社外と広く交流し、より大きな価値を生み出すオープン・イノベーションモデルとして”Connect + Develop”[2]を推進しています。具体的な成功事例として、2005年より同社が販売している「プリングルズ・プリンツ」があります。これは、1枚1枚のポテトチップスに、スポーツや音楽に関するクイズや豆知識を印刷したものです。社内には、1枚1枚に画や文章を印刷する技術はなかったものの、イタリアの大学教授が経営する小さなパン屋がその技術を持っていることを突き止め、これを改良することで、2年かかるとされた市場への投入期間を1年に短縮し、開発コストも大幅に削減できたと『Connect and Develop: Inside Procter & Gamble’s New Model for Innovation』[3]において報告されています。

    [2] P&G, Connect + Develop

    [3] Huston and Sakkab, 2006

    ユーザイノベーション

    ユーザーイノベーションは、マサチューセッツ工科大学のエリック・フォン・ヒッペル(Eric von Hippel)教授が提唱するイノベーションの発生原理であり、供給者としての製造業者、提供者よりも個別のエンドユーザやユーザコミュニティによって多くのプロダクトやサービスのイノベーションが起きるとするものです。彼は、この原因を、多くの消費者が避けている問題に対して、一部のユーザが取り組み、既存の製品を修正したり、完全に新しい製品をつくりだすなどして、その問題を解決するため、と説明しています。彼のオープンイノベーションに関する2冊の著作(『Democratizing Innovation』『The Sources of Innovation』)はオンラインにて公開されており、誰もが自由にダウンロードすることができます[4]

    [4] Hippel, 1988, 2005

    ソーシャルイノベーション

    最後に、ソーシャルイノベーションです。すでに第01回にて述べたように、ソーシャルイノベーションは、Phillsら[5]により、以下のように定義されています。

    A novel solution to a social problem that is more effective, efficient, sustainable, or just than existing solutions and for which the value created accrues primarily to society as a whole rather than private individuals.

    すなわち、ある社会的な問題に対して、「従来の方法よりも、より効果的、より効率的、より持続性がある”新しい”解決法、そして、個人よりも全体としての社会に対する価値を生み出す、”新しい”解決法」と定義されています。

    特に、単なるイノベーションとソーシャルイノベーションとの違いとして「起業家、投資家、あるいは消費者などの個人に対する価値よりも、全体としての公共や社会に対する価値を生み出すかどうか、このバランスがどちらに触れるかで区分する」とPhillsは主張しています。本blogのスタンスも、このPhillsの定義を継承したいと思います。

    [5] Phills Jr., Deiglmeier and Miller, 2008

    ソーシャルイノベーションとソーシャルアントレプレナーシップ、ソーシャルエンタープライズ(社会的企業)は併せて語られることが多いですが、Phillsらは、これらとの違いをも、同論文の中で明確に述べています。ソーシャルアントレプレナーシップ、ソーシャルエンタープライズはともに、その目的を社会的な価値の創造においています。前者は、新たな組織を立ち上げようとする人々の個人的な資質に焦点を当てており、後者は、組織に焦点を当てています。しかしながら、両者とも、そもそもの起源が非営利セクターであり、結果として、彼らの活動を非営利に制限しているという点で限界を孕んでいます。一方で、ソーシャルイノベーションは、社会全体に対して、財政的かつ社会的な価値を提示するメカニズムとして、これら2者とは根本的に異なるものであるとPhillsは主張します。

    なお、実際のソーシャルイノベーションの事例は、第4-10回に渡って、企業、NPO、大学、研究機関別に紹介していく予定です。

    まとめ

    今回はイノベーションについて、その定義、および、派生系について述べてきました。本blogは、キーワードの1つにソーシャルイノベーションを掲げています。ソーシャルイノベーションに注目する理由は、すでに述べたように、単なるイノベーションが、経済的な価値な価値のみを提供することを目的とするのに対し、ソーシャルイノベーションが、社会全体に対して、社会的な価値、および、経済的な価値、という2つの価値を提供するためです。このようなソーシャルイノベーションを実現するためのデザイン思考、およびデザイン思考を活用したデザイン手法を本blogでは実践例を交えて、紹介いきたいと考えています。

    さて、次回はソーシャルイノベーションの場(フィールド)としてのBOP(Bottom of the Pyramid)と呼ばれる社会経済学上のグループについて考えていきたいと思います。

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    イントロダクション – No Tinkering, No Innovation

    はじめに

    このblogは、これまでの私の活動[1]に基づいて、ソーシャルイノベーションのためのデザイン理論および実践についてわかりやすく解説をしたいと思い立ち上げたものです。一部の内容についてはすでに雑誌や論文で掲載しているものですが,字数,図表などの資料の制限もないblogというメディアを最大限に活用し、全25回の連載を通じてデザイン理論と実践についてひと通り説明を行う予定です。原則として更新は週1回のペースを保ちつつ、半年で終了させたいと考えています。気ままにプロダクトやイベントなどの告知もするかもしれません。全25回のタイトルは、ナビゲーションメニューのコンテンツに掲載しています。なお、タイトルはIDEOのTim BrownとJocelyn WyattのStandford Social Innovation Reviewの記事[2]を意識しています。

    [1] http://www.dangkang.com
    [2] Brown and Wyat, 2010

    ターゲット

    このblogの主なターゲットは、
    ・デザイン思考を学びたいエンジニア
    ・デザイン思考をソーシャルイノベーションに活かしたいエンジニア
    ・ソーシャルビジネスに注目し、プロダクト、サービス、社会システムのデザインに携わろうとしている方
    を特に意識しています。ソーシャルイノベーションに限らず、エンジニアに限らず、実際に現地に赴いて調査を行い、何かをデザインしたいと考えているすべての方に対して何らかの有益な情報を提供できるのではないかと考えています。

    デザイン思考

    このblogは、タイトルにもあるように、”デザイン思考”と”ソーシャルイノベーション”という2つのキーワードに注目しています。両者とも時としてバズワードとして一人歩きしがちな単語ですが、基本的な考え方と実際のプロセスについて整理しておきましょう。

    最初に思考法としてのデザインに対する考えを示した人物は、経済学者・社会学者・心理学者のカーネギーメロン大学ハーバード・A・サイモン(Herbert Alexander Simon)です。1967年の著書『The Sciences of the Artificial』(邦題『システムの科学』 )の中で、彼は、望ましい性質をもった人工物をいかにつくり、いかにデザインするかについての教育に対する重要性を主張しました。そして、人工物のデザインのカリキュラムについて7つの項目を紹介しています。本ブログでは、これらの項目について詳細な説明を避けますが、サイモンは、社会をデザインするためのカリキュラムとして6つの項目も挙げていた点に注目すべきでしょう。

    人工物のデザインのためのカリキュラム

    1. 評価理論:効用理論,統計的決定理論
    2. 計算方法
    a.リニア・プログラミング、制御理論、ダイナミック・プログラミングなどの最適代替案選択のアルゴリズム
    b. 満足代替案選択のためのアルゴリズムと発見的方法(ヒューリスティックス)
    3. デザインの形式倫理:命令倫理と叙述倫理
    4. 発見的探索:要素分解と目的 – 手段分析
    5. 探索のための資源配分
    6. 構造の理論およびデザイン組織化の理論:階層システム
    7.デザイン問題の表現

    社会をデザインするためのカリキュラム

    1. 限定された合理性
    環境の複雑さが、適応システムの計算能力よりもはるかに大きい状況下での、合理性の意味。
    2. 計画設定のための「データ」
    予測方法,制御過程における予測とフィードバックの使用。
    3. 顧客の識別
    専門家-顧客関係、顧客としての社会、駆け引きの当事者としての顧客。
    4. 社会計画における組織
    社会計画は、主に組織内部の人によって作られるが、それと同時にその社会計画の重要目標が、一般の社会組織や特定の個別組織を作ったり変えたりする。
    5. 時間的・空間的視界
    時間の割引き,進歩の定義,注意の管理。
    6. 究極目的のないデザイン活動
    将来の柔軟性のためのデザイン、目的としてのデザイン活動,進化するシステムのデザイン過程。

    デザイン思考(Design Thinking)という言葉それ自体が著作物として姿を現すのは、建築家ピーター・ロウ(Peter G. Rowe)の著書『Design thinking』(邦題『デザインの思考過程』 )を待たねばなりません。ロウのデザイン思考は、建築家あるいは都市設計立案者によって利用されてきた問題解決プロセスに対して、システム思考に基づいて説明を試みるものでした。それは、「ユーザの関心を理解」し、「より優れたプロダクトをデザイン」するための方法論としてのデザイン思考ではありませんでした。

    このようなデザイン思考の方法論を一躍有名にした会社があります。デザインコンサルティングファームIDEOですね。IDEOの設立者であるディビッド・ケリー(David Kelly)は、彼の著書『The Art of Innovation』(『発想する会社』)の中で、IDEOにおけるデザインプロセスを以下のように説明しています。

    プロセス

    Understand

  • ユーザの欲求や問題について理解する。
  • ユーザがいかに製品やサービスを知覚しているかを理解する。
  • Observe

  • 何が人々を困惑させているか、何が好きで何が嫌いか、現在のプロダクトやサービスによって明らかになっていない潜在的な余裕などを、実世界の人々を観察することで発見する。
  • 収集したデータをすべてひとつの部屋に集める。
  • Visualize

  • 新しいコンセプトとそれを使う顧客を視覚化する。
  • ロールプレイ、ストーリーボード、プロトタイプなどを活用する。
  • Evaluate & Refine

  • アイディアのプロトタイピングを行う。
  • いくつかのプロトタイプを制作する。
  • Implement

  • 製品化を行い、マーケットへ送り出す。
  • さらに、IDEOの現在のCEOであるティム・ブラウン(Tim Brown)はHarverd Business Reviewの彼の記事(『Design Thinking』)[3]の中で、以下のようにデザイン思考とデザインプロセスを定義しています。

    [3] Brown, 2009

    定義

    デザイン思考は、技術的に実現可能なものやビジネス戦略を顧客価値や市場機会へと転換可能なものと、人々の要求とを一致させるために、デザイナの感覚と手法を利用する方法、である。

    プロセス

    Inspiration

  • 問題や機会を定義する。 
  •  

  • 世界を見る – 人々が何を考えているのか、何をしているのか、何を要求しているのかを観察する。
  • プロジェクトルームで情報を共有する。
  • 情報を整理し、可能性を統合する。
  • Ideation

  • ブレインストーミングを行いアイディアを生成する。
  • プロトタイピングを行いテストを行う。
  • Implementation

  • 市場に送りだすための計画を立てる。
  • ここまで3つのデザインプロセスを紹介してきました。各プロセスの区分的な違いはあれ、全てに共通していることは、以下のプロセスです。

    1. フィールドへ赴きデータを取得する
    2. 課題を発見し、仮説を構築する
    3. プロトタイピングを行う
    4. フィールドでテストを行う
    5. 製品を実装する

    1のプロセスでは、フィールドでのデータの収集が不可欠です。1で得られたデータを目的に併せて質的、もしくは量的に分析を行い、2のプロセスにおいてモデルを構築します。3-4のプロセスは、特に何度も繰り返す必要があります。様々な技術を試し、課題をもっともエレガントに解決できるプロトタイプを構築するこのプロセスを”Tinkering”や”Iteration”と呼びます。Tinkeringの語句的な意味はLongman Dictionary of Contemporary English[4]では、以下のように記載されています。

    To make small changes to something in order to repair it or make it work better

    [4] Longman Dictionary of Contemporary English, Tinkering

    今回の記事のタイトルは、”No Tinkering, No Innovation” です。このフレーズは、私が勝手に造ったいかにもな言葉ですが、イノベーションに不可欠な非常に重要なプロセスであると考えています。何より、ステップ2の段階 – つまりはアイディアであり、仮説の段階 – では、プロジェクトは10%も完了していません。その仮説が望ましい結果をもたらす保証はありませんし、受け容れられる可能性も保証できません。何より現物が無い時点でモノとして存在していません。テストできる状態となって初めて50%の完成といってよいでしょう。80%の完成度まで近づけるためにユーザテストをさらに繰返す必要がありますし、100%の完成度、すなわち、ユーザが満足するレベルまで引き上げるためには、80%の状態まで費やしたコストを同じだけのコストがさらに必要となるでしょう。最も重要なことはプロトタイピングとテストの繰返しでしか、プロダクト・サービスの完成度は決して向上せず、イノベーションも実現できないということです。

    ソーシャルイノベーション

    ここからはソーシャルイノベーションにトピックを移します。イノベーションの定義および起源、様々な派生形については、第01回で扱う予定ですので、今回は簡単にイノベーションの定義を紹介しつつ、ソーシャルイノベーションの定義、イノベーションとソーシャルイノベーションの違いについて触れておきます。

    イノベーション

    そもそもの英語におけるイノベーションの意味とは、”something newly introduced, such as a new method or device”ですが、経済におけるイノベーションという語句は、1912年に発行された経済学者のシュンペーターの著書『経済発展の理論』の中で5つのパタンとして定義されています。原文とそれに対する詳細な対訳については第02回で説明しますので、今回は日本語で簡潔に説明いたします。

    1. 新しい製品、もしくは良質な製品の導入
    2. 新しい生産方法の導入
    3. 新しいマーケット(市場/販路)の開拓
    4. 原材料や半製品の新しい供給源の開拓
    5. 新しい組織の実現

    これら5つのタイプのイノベーションのいずれかに当てはまる成果物が産み出されたとき、それをイノベーションと呼びます。ソーシャルイノベーションも同様に、これら5つのパタンのうちいずれかに該当すると考えられます。

    ソーシャルイノベーション

    ソーシャルイノベーションは、Phillsら[5]によって、”ある社会的な問題に対して、従来の方法よりも、より効果的、より効率的、より持続性がある新しい解決法、そして、個人よりも全体としての社会に対する価値を生み出す、新しい解決法”と定義されています。さらに、単なるイノベーションとソーシャルイノベーションとの違いとして、”起業家、投資家、あるいは消費者などの個人に対する価値よりも、全体としての公共や社会に対する価値を生み出すかどうか、このバランスがどちらに触れるかで区分する”とPhillsは主張しています。本blogでは、このPhillsの定義を継承します。

    [5] Phills Jr., Deiglmeier and Miller, 2008

    まとめ

    さて、今回の記事は、イントロダクションとして、タイトルにもある”デザイン思考”と”ソーシャルイノベーション”の定義について概観してきました。デザイン思考については、起源から最新の考え方までを俯瞰し、本blogにおけるスタンスを説明いたしました。また、ソーシャルイノベーションについては、イノベーションとソーシャルイノベーションの違いについて確認し、本blogにおけるスタンスを説明したしました。イノベーションについては第02回、デザイン思考については第11回でより詳細について述べる予定です。

    次回は、イノベーションの起源と派生系についてもう少し掘り下げていきたいと思います。

    2012.02.16
    サイモンの引用部に誤りがあったため修正いたしました。また、ロウのデザイン思考に関する説明を追記いたしました。

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